TOP中国茶道体験記中国茶体験記(35)

 

文文の中国茶道体験記

     『奉茶』(上海茶園小築)

                  中国茶道講座35 <2004年9月号>

 

中国茶道の形成と発展(其の1) 

秋の気配が感じられるようになりました。9月9日は『重陽の節句』ですね。別名、『菊の節句』ともいわれています。そこで、文文(wenwen)からの提案です。『菊茶』をベースにオリジナルブレンド茶を作って節会を楽しむ・・というのはいかがでしょうか。ぜひ、お試し下さい!

【奉茶】には李先生セレクトの小ぶりのかわいい中国茶道のお道具たちが並んでいます。中国茶道具が完成したのが唐の時代といわれています。それまでは食器や酒杯が茶具をかねていたそうです。今回は、唐時代の中国茶道文化をひもといてみましょう。

■晋代 ≪chuan賦≫一幅生動的茶山品茶図 杜育(公元?−331年)

『泡が雪のようにしきつめられている。まるで春の草が敷き詰められているよう。』という杜育詩から見られるように中国の古文書や資料からみても固形茶が先に出てくる。葉を固形にしそれを粉末にして飲んでいた。(明代以降、現在の中国ではほとんどが葉茶で飲む方法が主流。)中国茶道の原型が日本茶道の抹茶法に色濃く影響を与えていると考えられるが、当時の固形茶を飲む方法と抹茶法は同じではない。

■唐代 リュウ貞亮≪茶十徳≫

『以茶可雅志、以茶可行道』という言葉で中国茶の精神を表現。 

唐代には茶について呼んだ多くの詩人がいる。中でも有名なのが

千古の絶唱と称される漢詩≪走筆謝孟諫議恵新茶寄≫

1杯目はまずのどと口を潤し2杯目は寂しさをやわらげてくれた。3杯目は飲むとしぼんだ詩情がよみがえり、文字が5000巻も湧いた。4杯目を飲むと、軽く汗が出て平生の不満不平はすべて流されてしまう。5杯目を飲むと、体が清められ6杯目を飲むと神仙の御霊に通じた。7杯目はもう飲んではならぬ、もう両脇を吹き抜けていく風を感じた。

 

漢晋代は食器や酒杯が茶具をかねていたが・・

@西漢時代に中国に仏教が伝来し、禅と共に茶がだんだんと広まった。A特に晋代に上流階級に茶が広まった。Bお茶にふさわしい道具をつくる技術が成熟してきた。などの理由から唐代にはいり茶道具が完成したといわれている。

陸羽≪茶経≫

陸羽(733-804) 現在の湖北省天門市出身  

陸羽の著書≪茶径≫・・上中下の3巻・全10部に別れ24の道具を紹介している。

内容は、@一之源・茶のおこりA二之具・製茶器具B三の造・製茶法C四之器・茶器D五之煮・茶の煮立て方E六之飲・茶の飲み方F七之事・茶の資料集G八之出・の茶の産地H九之略・略式の茶I十之図・一幅の絹に茶径の内容を書いて掛けておくこと・・とある。また、精神面では【精行倹徳】を理想としている。

中国茶道は唐代から海外に伝わり、特に日本・韓国茶道に色濃く影響を与えた。

千利休による日本茶道の精神:和・敬・清・静/韓国茶道の精神:和・敬・倹・真

 

 

中国茶道教室奉茶(上海茶園小築)

古北店 住所:上海市栄華西道19弄1号金龍公寓103号室

新電話・ファックス:(021)6270-2067

上海在住の日本人太太(奥さん)に品質の良い茶葉・センスの良い茶道具がそろうと定評のある李娜(リナ)さんが経営する雅な茶屋。併設の中国茶道教室はサロンのような雰囲気で授業が受けられる。講座は初級・中級・高級・研究班とあり大変人気がある。李さんが中国茶の世界を具現化した茶室で喫茶もできる。日本で、9月27日発売のOZマガジンにて奉茶が紹介される予定です。お楽しみに!


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