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文文の中国茶道体験記57

合合さん蔵 「範学軍」氏作 紫砂壷

                                                          

  お茶会をひらいてみましょう!

中国茶で気軽にティパーティーを開いてみませんか?

堅苦しい決まりは一切ありません。下記の点に注意し、自由に楽しく中国茶でおもてなしをしましょう。

お茶選びはもちろんの事、テーブルコーディネイトなどもあわせて楽しみましょう。おもてなしする側もゲストも、ともに至福のひと時をお過ごし下さい。

2007年6月 上海浦西 中国茶会

テーマ:絵蝶さん送別茶会

四川の銘茶「竹葉青」(緑茶)のお手前

 

海抜2000m以上の高地で採れる梨山茶(青茶:台湾)

茶隆軒の観音王(青茶:福建省)

蘭花香高く 回甘強く・・、かなり耐泡でした。

(耐泡:数多く煎れても、味香りがあること。)

 

幻のプーアール生茶

今雨軒の金達磨(雲南産)

今雨軒のプーアール茶:雲南省政府に卸すのみで

一般販売は一切されていないようです。

ネーミングは、青茶の銘茶「鉄観音」に匹敵するように名づけたと聞きました。

このお茶は、ネットオークションで手に入れることができるようです。

お花の香りが高い、幻の噂に相応しいプーアール生茶でした。

プーアール茶基礎知識

雲南プーアール茶をめぐる旅 前編後編


自由に楽しくお茶会をアレンジしましょう!

■唐代の茶会の形式は・・

まずお菓子を頂いてから品茶をする。現代の日本茶道の原型といえる。


現代の中国お茶会は・・

下記に注意して準備をしましょう。

①空間:インテリア 基本色は2~3 色くらいに抑えて。

②テーブルセッテイング:こちらも色の使いすぎに注意

③生け花:香りのきつい花や花びらが落ちやすいものは避け、お互いの顔が隠れないように低めに生けましょう。 野に咲くように、風を感じるように生けてみましょう。

④点心:お茶の発酵度にあわせてセレクトしましょう。ドライフルーツ、ナッツ系、季節のお菓子(仲秋の名月なら月餅)和菓子、洋菓子など。中国緑茶は甘みを楽しむため、甘い菓子との相性は難しいかもしれません。紅茶には洋菓子やチョコレートもぴったり。お菓子を頂くタイミングの規則はありません。おもてなしする側が随時お勧めしましょう。

⑤音楽:アルフ・琴の中国古典楽器のCDを使って気軽に楽しみましょう。もちろん、生演奏なら最高です。

⑥飾り:画・軸・飾りなど季節にあったものを。

⑦お茶の種類:2~3品くらいを目安に。発酵度違いを楽しんで頂くのも良し、同種類のお茶を比べて楽しむのも良し。 

⑧時間:2時間くらいを想定。

⑨器:お茶にあった器選び。

⑩水:お茶にあった水選び。

⑪お香をたく:お茶の香りを邪魔しない程度の控えな香りで。

⑫テーマ:お茶会の目的を考える。(送別茶会・暑気払い茶会・緑茶会など自由に)

⑬注意する話題:政治や宗教の話は避けましょう。


2007年6月 上海浦東 中国茶会

テーマ:苺美さん送別茶会

 

白豪銀針(白茶:福建省福鼎)

鳳凰単叢(青茶:広東省)

中国風違い棚にチョコレートをのせるなどアイデア満載『チャイナアフタヌンティー』

Dian紅(紅茶:雲南省)

中国紅茶にはチョコレートや洋菓子などもピッタリ!

 

 


暑い夏は寒性の緑茶がお勧めです。また熱を下げる作用のある白茶も良いですね。

ぜひお茶会メニューに、下記の緑茶もとりいれてみて下さい!

緑茶の淹れ方:茶葉が姿が美しく見えるグラスで、歓迎歓迎!鳳凰三点頭のお手前で、相手に礼を尽くし真心を込めて美味しいお茶を淹れてみましょう。

茶名 産地 特色
安吉白茶AnJiBaiCha 浙江省安吉県 アミノ酸の一種であるテアニンが一般の緑茶の1~2倍、旨みが強く渋みが少ない。
碧螺春BiLuoChun 江蘇省 三大中国緑茶のひとつ。茶葉は、白豪が多いものが良い。太湖に半島のように突き出る洞庭東山産のものが最もブランド力がある。枇杷など果物の産地としても有名。
無錫豪茶WuXiHaoCha 江蘇省無錫 茶葉は白豪に覆われている。碧螺春に似ている。 
紫筍茶ZiSunCha 浙江省長興 唐代より献上茶となる。献上茶の歴史が最も長い。
均(土編なし)毛尖DuYunMaoJian 貴州省 茶葉は、白豪が多いものが良い。 明代に献上茶となる。
仏香茶FuoXiangCha 雲南省西双版納 雲南大葉種と小葉種を掛け合わせつくられた新種の茶。大葉種の長所が現れ《耐泡》である。香り高い。
狗「牛+古」脳茶GouGuNaoCha  江西省 狗「牛+古」脳山産のためこの名前が。香り高く、味わい深い。白豪が多い。
黄山毛峰HuangShanMaoFeng 安徽省黄山市  三大中国緑茶のひとつ。清代、謝氏が製造に成功。
霍山黄芽HuoShanHuangYa  安徽省 もともと黄茶だったか、1980年代から緑茶化している。現地まで上海から汽車で10時間、六安市から車で3時間程度。
径山茶JingShanCha 浙江省 天目山脈の北東海抜769mの高地。禅宗径山寺に修行に来ていた僧により海外にも広められる。日本茶のルーツともいえるお茶。
開化竜頂KaiHuaLongDing 浙江省 高級品は単芽でつくられている。
六安瓜片LiuAnGuaPian 安徽省 瓜子(タネ)のような形からこの名前が。強めの火入れのため茶葉の両端はキュとしまっている。「片」とついているものは一般に芽をつまない。この茶葉は葉の5分の4あたりから摘み茎は摘まない。火入れの方法は特色があり、2人ペア2組で真ん中に火を置く。2人で茶葉を入れた大きな蒸篭を持ち、火にかけたり冷ましたりの作業を100回以上行う。大変ハードな作業である。
普陀佛茶PuTuoFoCha 浙江省 茶葉は白豪で覆われている。杭州近くに点在する舟山地区の小さな島である普陀山は仏教四大聖地のひとつとしても有名。上海南浦大橋から高速船でこの島に行くことが可能。
太平猴魁TaiPingHouKui 安徽省 茶葉はかなり大きい。花印とよばれる焼印がある。
西湖龍井茶LongJingCha 浙江省 三大中国緑茶のひとつ。獅峰龍井・梅家「土+烏」龍井+西湖龍井の3スーパープランドを総称して西湖龍井と呼ぶ。
雪水雲緑XueShuiYunLu 浙江省 高級品は単芽でつくられている。
竹葉青ZhuYeQing 四川省 単芽。グラスの中で茶葉の立姿も楽しめるお茶。 豆や草のような香りがする。

次回は、安徽省南部のお茶をご紹介します。

先日、上海職業訓練学校評茶班の恩師張楊老師のお誘いで、安徽省お茶工場見学に行ってきました。

文文非常開心!!

安徽省南部にある江南茶区で作られている名茶、黄山毛峰、松羅茶、キーマン工夫紅茶をレポート。どうぞお楽しみに!

 

 

 2007年6月 

Text/photo 文文

                                                   

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