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文文の中国茶道体験記58
安徽省南部 銘茶をめぐるたび
■2007年6月 安徽省祁門県 祁門工夫紅茶工場見学 紅茶といえばインドやスリランカのイメージが強いが 紅茶の起源は中国福建省武夷山あたりと言われている。
武夷の紅茶といえばスモーキーな香りのする正山小種。 その後、安徽省祁門県でも紅茶が作られるようになり 現在、その名は世界の三大紅茶「キーマン紅茶」として知られている。 祁門工夫紅茶は茶葉の形を残しているリーフーティで インドやスリランカのブロークンティ(紅砕茶)とは製法が異なる。
《祁門工夫紅茶の基本製造工程》 萎凋weidiao→揉(手偏+念)rounian→発酵faxiao→乾燥ganzao こちら祁門工夫紅茶工場にて ※「萎凋槽」と呼ばれる棚の上に生葉を広げて「萎凋weidiao」中。 ※「萎凋槽」は長さ10m、幅1.5m、高さ0,8m 生葉の下はこのように網状。 網の上に生葉を20~30cmの厚さに広げる。
こちらで薪を炊く、中に扇風機の羽のようなファンがある。 そのファンによって熱風を送る。 網の下にから、ほどよい熱風が送られ、生葉の水分をとばす。=(しおれさす) 本来は自然萎凋していたが、近年ではこのような「人口萎凋」 が主流。強制的に萎凋をするため時間の短縮が可能。 約6~8時間「人口萎凋」をし、若いリンゴのような香りが出たら「萎凋」を終了させる。 ちなみに、自然萎凋の場合は18~24時間かかる。
揉(手偏+念)の後、醗酵室へ。 発酵室内は、温度22~25℃、湿度95~98%に調整されている。 発酵により茶葉の褐色が一段とすすむ。 この褐色の色は、カテキン類の酸化によりできた 茶黄素(テアフラビン)・茶紅素(テアルビジン)によるもの。 紅茶の水色は茶黄素(テアフラビン)の含有量が高いほど美しく、 茶紅素(テアルビジン)が多いと褐色が強くなる。 発酵時間:春茶2~3時間・夏茶1.5時間 室内は祁門工夫紅茶特有の香りが漂っている。 望ましい色と香りが出たら発酵をとめる乾燥の工程へ。
こちら「乾燥」の工程 乾燥とは、50~60%の水分を含んだ発酵茶葉を急激に温度を上げ発酵を止める作業のこと。 手前と奥に乾燥させる機械が2つ並んでいる。 乾燥①「足火」 温度105℃、所要時間約15分、 この段階で葉の水分量は25%。 ~30分程度涼しい場所で放置する~ 乾燥②「毛火」 温度は少し低めの90℃、 所要時間15分、水分量は5~6%程度まで乾燥させる。 これで「毛茶」のできあがり。
その後、篩分機にかけ等級別に分ける作業をする。 最後の仕上げは熟練した工人により不合格の茶葉が取り除かれる。 眼を酷使する大変な作業。 茶の栽培も、製茶も大変な労力を必要とします。 しっかり最後の1滴まで、無駄なく美味しく頂きましょう。
■2007年6月 安徽省黄山市休寧 「有機松羅茶」工場見学 こちらでは、有機栽培の「松羅茶」(緑茶)を製造している。 海抜882mの松羅山で作られている。 上海では、とても手に入りにくい400年の歴史あるお茶です。
小さな工場だが、管理がしっかりされており 工場内部はとても清潔。
こちら「殺青shaqing」中 緑茶は不発酵のお茶。まずは「殺青」という酵素の働きをとめる 工程をする。
こちら「揉手偏+念」rounian中。 茶葉を揉む作業。 その後、乾燥ganzaoさせる。
こちらのお茶は最高級の「野生松羅茶」 なんと!すごいお値段。(1元=約16円) 最近、中国の食品問題がよく報道されているが、 お茶も、信用性の高い「有機栽培茶」や、自然に自生している茶で作った「野生茶」が ひそかなブーム。
■2007年6月 安徽省黄山市屯渓 屯緑(緑茶)の工場 こちら大規模な輸出専用の工場 「屯緑」は1913年から輸出が開始される。
■ 次回は、2007年8月福建省福鼎お茶のたびをご紹介します。 先日、某テレビ番組の関口くん風?に夜行列車に9時間揺られて温州へ、その後バスに乗り換え1時間半。 予想外の快適な夜行列車のたびに、嬉しい誤算。 美味しい白茶と紅茶、上海にはない山があり、空気が美味しい!海鮮も美味しい! そして、茶友たちの心温まるおもてなし。古き良き中国を感じる旅で、文文非常感動!! 福鼎は、白豪銀針、白牡丹、寿眉などの白茶や、白(王ヘン+林)工夫紅茶の産地です。どうぞお楽しみに!
2007年8月 Text/photo 文文
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