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文文の中国茶道体験記62

                                                       

 2008年 中国茶で節会を楽しみましょう 

 

3月3日は《桃の節句》

日本の年中行事に五節句がありますが、これは古代中国から伝わった慣わしです。農耕民族である日本人は節句に関してお祝いよりも五穀豊じょうや健康を願う気持ちが強かったと言われています。

節句を伝統的な堅苦しいものとしてではなく、季節の変わり目を感じる機会として気軽に中国茶にも取り入れ楽しんでみましょう!

 

    

 

 月 日 名 称
日本の五節句
1月7日 人日

江戸時代より、正月の初めの子の日春の野遊びで若菜を摘む慣わしが始まる。七草粥を作る習慣に。

中国でも七宝羹(いろいろな野菜の入ったスープ)を食べる習慣が華南地方、客家、潮仙地区、広州に残っている。芹と葱:聡明・大蒜:やりくり上手・芥菜:長寿とそれぞれの野菜に意味があるそう。

節会の草花:梅・椿・水仙・福寿草・藪柑子(やぶこうじ)穂長及び春の七草 せり、なづな、ごぎよう、はこべ、ほとけのざ、すずな、すずしろ

3月3日 上巳

桃の節句:江戸時代より飾り雛の習慣が盛んになる。

中国では西王母伝説にて鬼を祓うために桃を投げる場面がある、邪気を祓う。桃太郎が桃から生まれたのも桃のパワーと関係がある?

節会の花:桃、柳、海どう、山吹、ふきのとう、貝母、洋花の類

5月5日 端午

菖蒲やよもぎの葉を玄関の軒先に飾り邪気を祓う。

中国では昔は菖蒲を門に張り邪気をはらったが、現在都市部ではその習慣はない。この日は古代の詩人「屈原」が川に身投げをした日で、人々は魚が死体を食べないようにと川に粽を投げた。そのことから、この日に粽を食べる習慣ができた。現在では甘い餡の入ったもの、豚肉等様々な具が入ったものなど多種多様の粽が1年中食べられるが、以前はこの日のみ食べた。また、ドラゴンレースが行われる。

節会の花:菖蒲、花菖蒲、あやめ、よもぎ、夏菊、竹、石竹、洋花の類

7月7日 七夕

奈良時代から朝廷の行事になる。仙台の七夕祭りは有名。

節会の花:秋の七草、萩、尾花、桔梗、女郎花(おみなえし)、藤袴、なでしこ、葛、又は仙翁花、蓮花、梶

9月9日 重陽

奇数は縁起のよい「陽」の数字とされる。その中でも最大の数字である9が2つ重なることからめでたい日と考えられ、重陽の日と呼ばれる。この時期上海では、菊を愛で酒を飲み上海蟹を食べるのが最高の幸せと言われている。また老人節とも言われ長寿を祝い重陽ガオという菓子を配る。「登高」といい老人は山登りをし、さらなる健康と長寿を願う。

菊の節句:白・黄・赤の菊花に葉の青、黒色の花はないので水(黒)にて5色としていける。水は11分(十二分にの意味)にそそぐこと。

節会の花:黄菊、白菊、赤菊、雁来紅、萩

 

 節会を感じるテーブルセッテイングをしてみましょう!

 

大切なのは相手を思いやる心、心地よく過ごしてもらえるような心配り。

なんとっても、ご自信が楽しむことが一番です。

 

その他、中国にある節会

旧暦1月1日 春節〔Chun Jie〕 日本の正月と同様、中国人にとって最も重要な節会。地方から出てきている人々は故郷に帰り、上海の人々は「除夕」(旧暦の大晦日)に夫の家族が家に集まり年夜飯という中国版おせち料理を食べる。料理の内容は、余暇やお金が余るようにと願いを込め余〔Yu〕と同音の「魚」、吉が多いようにと吉利の吉〔Ji〕と同じ音の「鶏」、来る年はさらにいい年であるようにと「年年高昇」の年高〔Nian Gao〕」と同音の「年ガオ」(餅)など縁起を担いだものが並べられる。北京は必ず餃子を食べるが上海ではその習慣はない。
以前は「高昇」という意味を込めて爆竹を鳴らし新年を祝ったが、現在市内では禁止されている。
子供は「紅包〔Hong Bao〕」と呼ばれるお年玉をもらう。
一般に翌日は、妻の家族と新年を祝う。
旧暦1月15日 元宵節〔Yuan Xiao Jie〕 旧正月から15日目をいう。一家円満を願い、「湯圓〔Tang Yuan〕」というスープに餡入りの団子の入ったデザートなどを食べる。
4月5日頃 清明節〔Qing Ming Jie〕 1年を24等分して、約15日ごとに分けた24節季の一つに『清明節』がある。緑茶の産地杭州で、この頃作られる龍井茶は最も高級で味も香りも良いとされる。一般には、祖先の墓に参り、墓の掃除をする。
旧暦8月15日 中秋節〔Zhong Qiu Jie〕 中秋の名月。月を愛でる日。月餅〔Yue Bing〕や秋に収穫した果物を供え、月見をする。8月末から9月初めにかけて、街の菓子屋はもちろん、デパート・レストラン・茶屋など至る所で月餅が販売される。月餅の中には、棗の餡や小豆の餡、広東風のものでは塩卵が入っているもの、フカヒレが入っているものなどもある。最近ではハーゲンダッツのアイスクリーム月餅などユニークなものも人気だ。年長の日ごろ世話になっている人に月餅を贈り感謝の意を表すのが慣わしだが、現在は会社から社員にも慰労の意を込めて配布される。

中国では自国の伝統文化に対する認識が高まることが期待して 2008年から《清明節・端午節・中秋節》が休日に。


調合茶で春を感じましょう!

 

《松竹梅》主材料:竹葉青(緑茶) 海松さん

 

《春待茶》主材料:雲南Dian紅(紅茶) 太信美さん

 

《宝宝茶》主材料:蕎麦茶(茶外の茶) 空さん(妊婦さんに優しいノンカフェインの蕎麦茶を使用)

 

《黒黒温暖茶》主材料:プーアール茶(黒茶) 夏人さん

 

《春潤茶》主材料:雪水雲緑(緑茶) 華夏さん

 

《美人春臨》主材料:東方美人(青茶) 香櫻さん

 


東京にお帰りになった雪雪さんお元気ですか?《重温友情茶》 雪雪さん作 主材料:2003年製造プーアール熟茶(黒茶)

 

 

 

 

           文文談:中国茶にも中国はもちろん、日本の伝統的な行事を気軽に取り入れ季節感を楽しんでみませんか?

又節会の背景も知れば、きっと暮らしの楽しみが広がる事でしょう!                           

 

 

 2008年3月 

Text/photo文文

                                                   

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