文文の中国茶道体験記66
上海東櫻花苑中国茶教室 ハロウィン茶会にて
豊富な保健効果が期待できる黒茶
黒茶といえば雲南プーアール茶が良く知られていますが、その他にも豊富な種類の黒茶があり、湖南省、湖北省、四川省、広西チワン自治区などで主に生産されています。黒茶は年代を経てまろやかでこくのある美味しいお茶に変化するすると言われておりビンテージ物が尊ばれています。
2008年10月18日上海にて、湖北省黒茶のエキスパートであられる楽清典先生の講義がありました。黒茶はカフェインが少なく夜遅くに飲んでも睡眠に影響せず、また多くの保健効果が証明されているそうです。
もともと黒茶は中国辺境の民族に消費されるお茶で、輸送しやすいように体積を小さくするために様々な形に作られた《緊圧茶》が主流です。今回は種類豊富な緊圧茶をご紹介いたしましょう。 |
■プーアール茶 :雲南省産
緊圧茶で最も知られているのが雲南プーアール茶
七子餅(円盤型)、トウ茶(お碗型)、ジュワン茶(レンガ型)などの形がある。
プーアール茶の原産地のひとつである思マオ市は
2007年4月にプーアール市と都市名を変更。
雲南大葉種は可溶成分が多いため他の黒茶より美味しいかも・・。
■六Bao茶:広西チワン自治区産
広西省の大葉種で作られた黒茶が原料
消費地:東南アジア、広西チワン自治区、広東省など
また、散茶は籠に入っている。
■青ジュワン茶:湖北省産
原料の老青茶は黒茶の一種。
1861年湖北省漢口が外国との通商都市となりロシアやモンゴルに輸出された。
(湖北省の楽先生によると、現在漢口は上海のワイタンに劣らないとのお話でした・・。ホント??)
商標の『川」の字が目印
現在生産されているものは、1回分ずつ使用しやすいようにチョコレートのような割れ目がついている。
■康ジュワン茶:四川省 雅安産
四川省からチベットへ至るルート(茶葉古道のひとつ)を使って運送されていた。
消費地区:チベット・青海省・四川省内アバチベット族自治区
四隅がとれた形をしており、チベット族にとって縁起の良いとされる黄色い紙で包まれている。
■フージュワン茶:湖南省益陽産
消費地区:新疆ウイグル自治区・甘粛省
夏の一番厳しい暑い時期(フー)に加工されたことからこの呼び名がつく。
下記写真にもみえる「金花」と呼ばれるコウジカビが特徴
このカビが良い香りをかもし出すと言われ、品質を左右する。
又、六バオ茶にも「金花」がみられる。
■千両茶:湖南省産
花巻茶とも呼ばれ、高さ150センチ、直径20センチ 重さは千両(約36キロ!)
こちらが千両茶の断片
■米ジュワン茶 :湖北省産
消費地区:新疆ウイグル自治区、ロシア
紅砕茶で作った緊圧茶 図柄は汽車や共産党を称えたものが多い。
黒茶の保健効果
辺境の少数民族にとって「茶は一日も欠かすことができないもの」と言われている
1)コレステロール低下をさせる:成人病予防に役立つ。
2)消化効果:辺境地区では牧民が多く、もともとの目的は肉食と乳製品摂取が多い彼らの消化を助ける効果だが、肉食が多くなった現代人にダイエット効果が期待できる。
3)便通を良くする:肉食中心の食生活は便秘になりやすい。
4)老化防止:茶のポリフェノール効果。
5)紫外線による病気を防ぐ:チベットなど海抜の高い地域では太陽からの紫外線が強い。茶は突然変異を抑制し白血球の減少を防ぐ作用がある。チベットでは皮膚癌が少ないそう。
6)フッ素:虫歯予防 黒茶は緑茶と違って成熟した葉を原料にする。成熟した葉は若芽と違ってフッ素が豊富。
7)消費地区はチベットなど海抜の高いところにあり、気圧が低く酸素が薄いので疲れやすい。茶で中枢神経を刺激し疲労をやわらげる。
《おまけ》 文文2002年に美しく神秘にあふれるチベットを訪れた時に高山病(頭痛と吐き気)で苦しみました~。高山病予防にはチベット族のお茶《スー油茶(黒茶に塩やミルクを入れて煮たもの)》をすすめられましたが即効性はなく数日後上海に帰るころにやっと効果がありました♪
標高の高い地域ではお湯が100℃になる前に沸騰するので、お茶を煮て飲む方法が主流です。
黒茶を飲んで成人病予防などの健康の維持に繋がると良いですね。これからの寒い季節発酵度の高いお茶(ウーロン茶、紅茶、黒茶)で身体を温めましょう。BY文文
2008年11月
Text/photo
文文
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