文文の中国茶道体験記68
宜興・顧紹培大師工房にて(こちらの大師の作品はJP1千万円以上)
2008年 宜興(YiXing)紫砂壷 ~大師編~
今や紫砂壷は世界的な人気となり、中でも《中国工芸美術大師》が作る作品は芸術品として高値で取引されています。
2008年11月久々に宜興へ行ってきました。今回はラッキーにもなんと4名の大師にお会いする事ができました。さすが中国芸術を代表する大師さま。かなりの貫禄とオーラが漂っていました。ご多忙にも関わらず温かいおもてなしに感激。非常感謝大師!!
|
■紫砂壷とは
江蘇省宜興(YiXing)では、紫砂で作った茶壷(急須)が作られています。この茶壷を《紫砂壷》と呼び、紫砂壷で中国茶を淹れると茶がまろやかに美味しくなると言われています。
茶壷には無数の毛穴のように小さな気孔があるのが秘密です。その気孔が茶の香を吸い50年たつとお湯を注いだだけでもお茶の香がするとまで言われています。またこの茶壷は保温性に優れており発酵度の高いお茶を淹れるのに適しています。
明代以降リーフティでお茶を飲むのが主流となり、共に紫砂壷(急須)が発展。
|
■『中国宜興陶瓷 博物館』
宜興市丁山北路150号
2004年に改築された50年以上の歴史のある博物館。明代以降の著名な作家の紫砂壷を見ることができる。
明代著名作家:供春(1506頃~1566年)時大彬(1580頃~1650年)
現代著名作家:顧景洲(1913~1996年)朱可心、蒋容、王寅春など
著名人の作品が展示されている。
|
|
|
|
|
■紫砂を掘ってこんな大きな池ができていました・・。100年後には紫砂が採掘され尽くし枯れるという説が・・・果たしてこの状況で100年もつのでしょうか??
|
■採掘した紫砂の原石。こちらを砕いて水につけて粘土を作ります。 |
|
|
|
|
■昔ながらの手作業で紫砂の粘土精製中。 |
|
|
|
■中国工芸美術大師:徐秀棠(XuXuTang) 1937年生まれ
1993年栄誉ある中国工芸美術大師の称号をえられる。 |
■公園内にある大師の工房で著書《紫砂陶芸集》と《徐秀棠説紫砂》にサインを頂きました。著書《宜興紫砂珍賞)・《中国紫砂》・《宜興紫砂珍品)など多数。日本のNHK他メデイアにも数多く取材されている。
|
|
|
|
|
■宜興窯址 |
■写真左上に見えるのが、昔ながらの登り窯。 |
|
|
■中国宜興紫砂博物館 3~10階までのフロアーには名門作家の工房が並ぶ。
|
■2005年取材した先祖代々紫砂壷作りを営む曹さんの工房もこちらの博物館内にある。 |
|
|
■中国紫砂壷博物館 605室 顧紹培大師の工房にて 大師の作品はどれもかなりの高額です。顧大師も、温和で優しい爺爺でした。
|
|
|
■■2008年 宜興の旅
2003年・2005年以来、久々に宜興を訪問しました。
茶道具が買える市場が新しくなり、上海と変わらないようなレストランもでき、その発展ぶりに驚きました。
また、今年(2008年)は現代著名女性紫砂作家の《蒋容大師》が亡くなりました。
彼女の作品は女性らしく蛙や蓮の花のモチーフにしたものが多く文文も大ファンでした。ご冥福をお祈りします。
それからお勧めなのが宜興特産の《宜興紅茶》。
注)金芽の多い上質なものは沸点より少し低めの湯で茶を淹れて楽しんで下さい。
次回は、上海に作家工房を構える先鋭現代アート紫砂作家 陸先生の工房をご紹介します♪。
2009年 平和で良い年となりますように。 By 文文
2008年12月
Text/photo
文文
Copyright since 1998 Shanghai Explorer
[中国茶TOP]