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人気の烏龍茶:武夷岩茶

連載第76回

インフルエンザが心配なこの秋
お茶にはさまざまな効用があります。手洗いはもちろんの事、お茶でうがい、中国茶で免疫力をつけましょう。
今回は烏龍茶の元祖である武夷岩茶のご紹介です。
武夷岩茶は、福建省北部に位置する武夷山が産地です。
福建省は烏龍茶の産地ですが、南方のものは香に優れ、北方のものは味に優れていると言われています。
8月に北京で岩茶づくりの名人「王順明」氏にお目にかかる機会がありました。職人気質の氏のお話を聞いて、益々武夷岩茶のファンになりました。
烏龍茶の名前の由来

1) 茶葉が黒く龍のように曲がりくねっていることから名前がついた。
2) 昔ある農夫が芳香のする茶樹の上で休んでいると、黒い蛇が茶樹の根元にどくろを巻いたが、蛇は大人しく害をなさなかった。農夫が茶葉を持ち帰って飲んだところ、色、香り、風味とも素晴らしかったので烏龍茶と名づけた。中国では烏は黒色を意味し、また蛇はその形状から龍になぞらえる。
3)昔、安Xiに烏良という狩人がいたが、ある日山で茶を摘んでいると、突然鹿が現れたので、追いかけて銃で仕留めた。その夜は鹿を始末するのに忙しく、茶作りまでは手が回らずほっておいた。すると茶の葉は鹿を追いかけた時に籠の中で揺すぶられたため、翌日になると自然発酵して渋みがなくなっていた。思いがけず会得したこの茶製法を烏良は村人にも伝授した。烏良の死後人々は半ば発酵させて作るこの茶を烏良茶と呼ぶようになり、それが烏龍茶にかわった。

武夷岩茶

烏龍茶、産地は岩茶の産地である武夷山市は上海から約一時間のフライトで到着。世界遺産にも指定され素晴らしい自然が堪能できる。「碧水丹山」といわれ、青い水と丹色(赤色)の豊かな土が特徴。霧が多いため湿度が高く、太古の岩の間に植えられている茶は豊富なミネラルと栄養を含んだ土地によって生育する。茶を作るのにいい条件がそろっている。
この武夷山に成育する茶は「武夷岩茶」(ぶいがんちゃ)、または「岩茶」(いわちゃ)と呼ばれており、中でも天下に名が知れ渡る銘柄である「大紅袍」は味・香り・のど越しともに、まさに茶の王の風格を漂わせる。
岩茶には「岩韻」と言われる高く澄んだ残香と余韻がある。四大岩茶と呼ばれるのが「大紅袍」「鉄羅漢」「水金亀」「白鶏冠」。その他に 味がいい「水仙」、香りがいい「肉桂」は産量も多くポピューラー。どれも茶葉は烏龍色で長い形状をしている。既に種類の豊富な岩茶だが、さらに新種がとどまることなく開発されている。

武夷岩茶のスーパーブランドをつくる5人の名人
中国の改革開放政策とともに、武夷山茶葉研究所のメンバーが独立して各々の会社を立ち上げた。現在は元研究所長の陳徳華氏、王順明氏、劉宝順氏、劉国英氏、劉烽氏の5名手が作る岩茶はスーパブランドとして高値がつく。

武夷岩茶づくりの名人 王順明氏
武夷山市琪明茶叶科学研究所 創始者
王 順明 氏
1975年福建武夷山市茶厂(国営中型企業)党支部書記
1987年福建省武夷山市総合農場場長、党委書記
1992年福建省武夷山市茶厂党委書
1993年福建省武夷山市茶厂党委書兼武夷山市岩茶総公司総経理
1996年福建省武夷山市岩茶総公司総経理兼武夷山市科学研究所所長
中国首批非物質文化遺産武夷岩茶(大紅袍)制作技術伝承人
国営の武夷山茶葉科学研究所の所長を経て、2002年独立。自宅兼工場の敷地内には103種類以上の岩茶が植えられているそうだ。独立と同時に発表したのがニュータイプの岩茶である「198」。伝統を守りながら新たなことにも挑戦している。


茶葉鑑定の道具と流れ

評茶盤 天秤
前方の黒い台で茶葉の外見を鑑定し、
後方の白い台で茶葉に湯をそそぎその内質を判定する。
↓他、青磁・現代アート作品・中国の伝統的なものをモチーフにした作品など沢山の出店が見られました。
今回の博覧会では、日本から唯一「九谷焼」の出店があり、上海の日本総領事もかけつけておられました。
1)まず茶葉の外形を鑑定する。 2)次に湯を注ぎ、茶の香、味、茶湯を鑑定し、
最後は茶殻を鑑定して茶葉の良し悪しの総合的に判断する。

9月調合茶コンテスト優秀作品

GREEN SODA 優蘭さん 杏杏茶 聖櫻さん
西湖ロンジン茶をソーダー水で割り、巨峰とドライミックスフルーツを数種類ブレンド。とても、さわやかな一品です。氷は中国で縁起の良いとされる魚の形・・細かいところまでこだわりがある作品です。
岩茶の水仙に咳止め効果のある杏と抗酸化作用、糖尿病予防の効果も期待できるアーモンドをブレンド。
中国ではアーモンドと杏の種の風味が似ているためアーモンドの事を「杏仁」と呼ぶそう。今からの季節にピッタリの調合茶です。


お知らせ

この度、中国茶パワーを皆さまにお伝えしたく連載を書かせて頂きました。緑茶・白茶・ウーロン茶・プーアール茶・紅茶の各種茶の特徴や効用、おいしい淹れ方など紹介に加え、茶壺や茶会などについても解説しております。
時に心を解きほぐし、時にパワーを与えてくれる中国茶。成人病予防やダイエットの効果があるともいわれます。中国茶を既に楽しんでいる人にも、これから始める人にご覧いただければ幸いです。
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目  次
  • はじめに~中国人のパワーの源
  • 第一章 お気軽チャイニーズ・ティー・パーティ
    • 季節と体調にあった中国茶選び
  • 第二章 春のお茶~やさしい緑茶~
    • 杭州の銘茶 龍井茶
    • 清明節
    • 蘇州の銘茶 碧螺春
    • 中国最初の献上茶 紫筍茶
    • 目で楽しむ中国緑茶
    • こんなに簡単 緑茶の淹れ方
    • 緑茶の製造方法第
  • 第三章 夏のお茶~白茶で免疫力をつける~
    • 皇帝も愛した白毫銀針
    • 福建省福鼎へ白茶の旅
    • 白茶の力
  • 第四章 秋のお茶~自然のアロマ 青茶(ウーロン茶)~
    • 七煎入れてもまだ香りのある鉄観音
    • プレミアム台湾ウーロン茶
    • 二つの例外的台湾茶
    • 台湾新感覚スタイル茶
    • 華やかな香り 鳳凰単ソウ岩茶のストーンパワー
    • ウーロン茶の淹れ方
  • 第五章 冬のお茶~身体を温める紅茶~
    • 紅茶のルーツは中国福建省
    • 正山小種
    • キーマン紅茶
    • 雲南紅茶
  • 第六章 成人病予防に黒茶
    • 黒茶の保健効用
  • 第七章 ダイエットにプーアール茶製造方法の違う二種類のプーアール茶
    • 投機の対象になったプーアール茶
    • プーアール茶の楽しみ方
  • 第八章 ジャスミン茶でリラックス
  • 第九章 魔法の茶壷~紫砂壷~
    • 購入時の注意点
  • 第十章 中国茶でいきいきライフ
  • 第十一章 オリジナル調合茶できれいになる
  • 第十二章 中国茶のバイブル
    • 中国人にとって茶とは日本と中国茶
  • 第十三章 自由にアレンジ中国茶会
    • 中国茶会を開いてみよう。
    • 中国茶会で季節を感じる
    • 流派をこえた無我茶会
  • 最終章 中国茶の魅力
全編を読みたい方は、中国智慧市場(180エクスプロアポイントが必要です・サンプル)または本サイトの携帯電話版「エクスプロアどこどあ」(315円/月)でご覧いただけます。


本連載第37回以降を担当している文文による「中国茶パワー」は、 中国茶を既に楽しんでいる人にもこれから始める人にも必読の中国茶紹介の書です。

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