~華やかな香りの烏龍茶~
連載第89回
烏龍茶の中でも特に香りが豊かな鳳凰単そう。広東省の潮州で作られ茶樹も茶葉も大きく育ち、花のような香り、甘いマスカットのような香り・・・など約80種類があります。自然が作り出す個性豊かな烏龍茶をぜひ味わってみて下さい。
鳳凰単そう FengHuangDangCong
中国の南に位置する広東省の銘茶 鳳凰単そうは、単そうの名のとおり一本の木だけから摘まれた茶葉から作られる。 |
鳳凰単そう |
とにかく食べることが大好きな広東省潮州の人たちだが、意外にも太った人が少ない。これもウーロン茶の力であろうか。この町では私の訪ねたどのご家庭にも烏龍茶を煎れる茶道具が置かれ気軽にすすめてくれた。また家庭だけでなく、一般の商店でも、家の軒先や路地でもバス亭までも・・・どこでも皆が潮州スタイルで烏龍茶を楽しんでいる風景が見られる。
まさに茶が生活に根付いている。
黄大師ご長男宅にて工夫茶を楽しむ
彼らが日常飲んでいるのは広東省東部 潮州市の北部にある 鳳凰山で育った茶樹から作られる《鳳凰単そう》という名の烏龍茶。鳳凰山の海抜400~1000m強に植えられ、400m付近のお茶を低山茶、600mm付近を中山茶、1000メートル付近のものを高山茶に分けている。生育範囲内で標高が高いほど茶種が育つ環境も良くなるなり優雅で香り豊かなすばらしいお茶ができる。
鳳凰の山よりさらに標高の高い烏ドン《山+東》山で育った茶樹から作られるお茶は烏ドン《山+東》単叢と呼ばれている。
香りの種類が豊富な鳳凰単そうの中でも代表格なのが宋種単叢。皇帝が興行中に偶然飲み、その美味しさを大変喜んだことから有名になったという伝説がある。このお茶は透明感のある水色と宋種特有の「山韵」が特徴で、中には卸価格で500g6万元(約72万円)のお茶もあるそうだ。
†広東省 |
†通天香の茶樹 |
†宋種2号 |
†只今、いちょう中 |
黄柏梓 氏 |
2011年4月13~16日 広東省潮州烏どん山に鳳凰単そうの茶園を持つ黄金碗さんのご実家でホームスティしお茶作りの見学をさせて頂きました。茶作りの名人と言われるお父様と数々の銘茶をティステイング。中でも金碗さんが生まれた時から今まで大切に保存していたという、30年ものの鳳凰単そうを品茶させて頂き、その不可思議な陳香と味わいに酔いしれました。これほど思いのこもったお茶を私たちのために開封して頂き、本当に恐縮でした。
また、光栄にも・・中国の人間国宝のような存在の黄先生のご自宅に招いき、特別な鳳凰単そうを品茶、またご高齢にも関わらず高い山に登り自ら茶樹をご案内して下さいました。黄先生の鳳凰鎮と鳳凰単そうに対する並々ならぬ愛情を感じました。本当に皆さまにこんなにお世話になりなんとお礼を申し上げれば良いのでしょう・・・。非常感謝!!
2011年9月25日 Text・photo文文
お知らせ
この度、中国茶パワーを皆さまにお伝えしたく連載を書かせて頂きました。緑茶・白茶・ウーロン茶・プーアール茶・紅茶の各種茶の特徴や効用、おいしい淹れ方など紹介に加え、茶壺や茶会などについても解説しております。
時に心を解きほぐし、時にパワーを与えてくれる中国茶。成人病予防やダイエットの効果があるともいわれます。中国茶を既に楽しんでいる人にも、これから始める人にご覧いただければ幸いです。
- はじめに~中国人のパワーの源
- 第一章 お気軽チャイニーズ・ティー・パーティ
- 季節と体調にあった中国茶選び
- 第二章 春のお茶~やさしい緑茶~
- 杭州の銘茶 龍井茶
- 清明節
- 蘇州の銘茶 碧螺春
- 中国最初の献上茶 紫筍茶
- 目で楽しむ中国緑茶
- こんなに簡単 緑茶の淹れ方
- 緑茶の製造方法第
- 第三章 夏のお茶~白茶で免疫力をつける~
- 皇帝も愛した白毫銀針
- 福建省福鼎へ白茶の旅
- 白茶の力
- 第四章 秋のお茶~自然のアロマ 青茶(ウーロン茶)~
- 七煎入れてもまだ香りのある鉄観音
- プレミアム台湾ウーロン茶
- 二つの例外的台湾茶
- 台湾新感覚スタイル茶
- 華やかな香り 鳳凰単ソウ岩茶のストーンパワー
- ウーロン茶の淹れ方
- 第五章 冬のお茶~身体を温める紅茶~
- 紅茶のルーツは中国福建省
- 正山小種
- キーマン紅茶
- 雲南紅茶
- 第六章 成人病予防に黒茶
- 黒茶の保健効用
- 第七章 ダイエットにプーアール茶製造方法の違う二種類のプーアール茶
- 投機の対象になったプーアール茶
- プーアール茶の楽しみ方
- 第八章 ジャスミン茶でリラックス
- 第九章 魔法の茶壷~紫砂壷~
- 購入時の注意点
- 第十章 中国茶でいきいきライフ
- 第十一章 オリジナル調合茶できれいになる
- 第十二章 中国茶のバイブル
- 中国人にとって茶とは日本と中国茶
- 第十三章 自由にアレンジ中国茶会
- 中国茶会を開いてみよう。
- 中国茶会で季節を感じる
- 流派をこえた無我茶会
- 最終章 中国茶の魅力