~天賦の国 四川省~
連載第90回
2012年5月
(成都パンダ繁育研究基地にて)木に登って微動だにしない愛くるしいパンダちゃん
うきうきする新茶の季節がやってきました。
文文は4月11日から茶友と共に四川省へお茶の旅に行ってきました。
四川省はのんびり気質の人が多くくらす土地。私たちも歩みを緩めスローペースで旅してきました。
世界遺産と自然を愛で、四川省特産のお茶を味わい、唐辛子と山椒のスパイス料理に舌鼓。上海の喧噪をのがれゆったりと10日間、四川省を味わう旅でした。
文文は4月11日から茶友と共に四川省へお茶の旅に行ってきました。
四川省はのんびり気質の人が多くくらす土地。私たちも歩みを緩めスローペースで旅してきました。
世界遺産と自然を愛で、四川省特産のお茶を味わい、唐辛子と山椒のスパイス料理に舌鼓。上海の喧噪をのがれゆったりと10日間、四川省を味わう旅でした。
中国茶といえば福建省のウーロン茶を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は中国茶の70%以上は緑茶と言われています。また、四川省は中国有数の茶処です。
四川の銘茶は蒙頂山にあり。
四川盆地の名山県雅安市。このあたりは古くは蜀の国と呼ばれ天下に3日の晴れなしと言われるほど年間を通じて降水量が多く、霧がかかり、傾斜があり、寒暖の差あり、良質のお茶をつくる条件が整っている地。また雅安は美人が多くて有名です。あれだけ湿度が高いとお肌は潤いますよね~。羨ましい!四川省の茶交易の始発点として重要な位置をしめた雅安のお話はまた次・次回に。
雅安市内からほど近いところにある蒙頂山。
蒙頂山ゲート
蒙頂山の麓から山頂付近にある天蓋寺までは登山か或いはロープウエイで登ります。
この地で生産されているのが中国銘茶に名を連ねる「蒙頂甘露」MengDingGanLu。
茶葉はちぢれ産毛で覆われた外見をしており、味わいは濃厚です。
西漢時代、蜀には後に甘露祖師と呼ばれるようになった茶づくりの名人がいたそうです。蒙頂茶が蒙頂甘露と呼ばれるようになったのは甘露祖師に由来しているという説があるそうです。蒙頂山山頂付近には甘露祖師が植えたと言われている8株の仙茶(蒙頂茶の原木)が現存しています。現在は囲いで保護され作り物の虎が茶樹を見守っています。
この茶は、唐時代(618~907年)には「蒙頂茶」と呼ばれ、「紫筍茶」(浙江省)、「陽羨茶」(江蘇省)と並んで、皇帝に献上する三大献上茶でした。「蒙頂茶」の献上はその後清時代まで続きます。
また、中国には古来から "揚子江中水、蒙山頂上茶" という詩があります。水は中国南部の江蘇鎮江金山寺にある中冷泉を指し、茶は蒙頂茶が最高と讃えた歌です。
四川省には「龍行十八式」(四川省長嘴茶壺茶芸)という茶芸スタイルがあります。この茶芸は、注ぎ口が一メートル近くもある四川独特の茶壺から18の様々なスタイルでお湯を注ぐものです。上海や北京の四川料理レストランでも良く見かけますがなんといってもここが本場。中国武術の型を組み合わせたもので、アクロバッティツクな技は見ているだけでハラハラドキドキ~。私たちが訪れた日も青年たちが一生懸命練習をしていました。
四川の銘茶は蒙頂山にあり。
四川盆地の名山県雅安市。このあたりは古くは蜀の国と呼ばれ天下に3日の晴れなしと言われるほど年間を通じて降水量が多く、霧がかかり、傾斜があり、寒暖の差あり、良質のお茶をつくる条件が整っている地。また雅安は美人が多くて有名です。あれだけ湿度が高いとお肌は潤いますよね~。羨ましい!四川省の茶交易の始発点として重要な位置をしめた雅安のお話はまた次・次回に。
雅安市内からほど近いところにある蒙頂山。
蒙頂山ゲート
蒙頂山の麓から山頂付近にある天蓋寺までは登山か或いはロープウエイで登ります。
ロープウエイ |
ロープウエイから見える茶畑の海 |
天蓋寺へのゲート、茶聖・陸羽をまつる寺 |
この地で生産されているのが中国銘茶に名を連ねる「蒙頂甘露」MengDingGanLu。
茶葉はちぢれ産毛で覆われた外見をしており、味わいは濃厚です。
西漢時代、蜀には後に甘露祖師と呼ばれるようになった茶づくりの名人がいたそうです。蒙頂茶が蒙頂甘露と呼ばれるようになったのは甘露祖師に由来しているという説があるそうです。蒙頂山山頂付近には甘露祖師が植えたと言われている8株の仙茶(蒙頂茶の原木)が現存しています。現在は囲いで保護され作り物の虎が茶樹を見守っています。
世界最古の栽培茶 |
この茶は、唐時代(618~907年)には「蒙頂茶」と呼ばれ、「紫筍茶」(浙江省)、「陽羨茶」(江蘇省)と並んで、皇帝に献上する三大献上茶でした。「蒙頂茶」の献上はその後清時代まで続きます。
皇茶苑 |
また、中国には古来から "揚子江中水、蒙山頂上茶" という詩があります。水は中国南部の江蘇鎮江金山寺にある中冷泉を指し、茶は蒙頂茶が最高と讃えた歌です。
四川省には「龍行十八式」(四川省長嘴茶壺茶芸)という茶芸スタイルがあります。この茶芸は、注ぎ口が一メートル近くもある四川独特の茶壺から18の様々なスタイルでお湯を注ぐものです。上海や北京の四川料理レストランでも良く見かけますがなんといってもここが本場。中国武術の型を組み合わせたもので、アクロバッティツクな技は見ているだけでハラハラドキドキ~。私たちが訪れた日も青年たちが一生懸命練習をしていました。
天蓋寺境内の青空茶館の片隅で、四川省茶芸練習風景 |
霧深い山中に芽吹く四川の緑茶たち。次回は四川のもつひとつの銘茶「竹葉青」をご紹介いたします。どうぞお楽しみに!
2012年4月25日 Text・photo文文(wenwen)
お知らせ
この度、中国茶パワーを皆さまにお伝えしたく連載を書かせて頂きました。緑茶・白茶・ウーロン茶・プーアール茶・紅茶の各種茶の特徴や効用、おいしい淹れ方など紹介に加え、茶壺や茶会などについても解説しております。
時に心を解きほぐし、時にパワーを与えてくれる中国茶。成人病予防やダイエットの効果があるともいわれます。中国茶を既に楽しんでいる人にも、これから始める人にご覧いただければ幸いです。
目 次
- はじめに~中国人のパワーの源
- 第一章 お気軽チャイニーズ・ティー・パーティ
- 季節と体調にあった中国茶選び
- 第二章 春のお茶~やさしい緑茶~
- 杭州の銘茶 龍井茶
- 清明節
- 蘇州の銘茶 碧螺春
- 中国最初の献上茶 紫筍茶
- 目で楽しむ中国緑茶
- こんなに簡単 緑茶の淹れ方
- 緑茶の製造方法第
- 第三章 夏のお茶~白茶で免疫力をつける~
- 皇帝も愛した白毫銀針
- 福建省福鼎へ白茶の旅
- 白茶の力
- 第四章 秋のお茶~自然のアロマ 青茶(ウーロン茶)~
- 七煎入れてもまだ香りのある鉄観音
- プレミアム台湾ウーロン茶
- 二つの例外的台湾茶
- 台湾新感覚スタイル茶
- 華やかな香り 鳳凰単ソウ岩茶のストーンパワー
- ウーロン茶の淹れ方
- 第五章 冬のお茶~身体を温める紅茶~
- 紅茶のルーツは中国福建省
- 正山小種
- キーマン紅茶
- 雲南紅茶
- 第六章 成人病予防に黒茶
- 黒茶の保健効用
- 第七章 ダイエットにプーアール茶製造方法の違う二種類のプーアール茶
- 投機の対象になったプーアール茶
- プーアール茶の楽しみ方
- 第八章 ジャスミン茶でリラックス
- 第九章 魔法の茶壷~紫砂壷~
- 購入時の注意点
- 第十章 中国茶でいきいきライフ
- 第十一章 オリジナル調合茶できれいになる
- 第十二章 中国茶のバイブル
- 中国人にとって茶とは日本と中国茶
- 第十三章 自由にアレンジ中国茶会
- 中国茶会を開いてみよう。
- 中国茶会で季節を感じる
- 流派をこえた無我茶会
- 最終章 中国茶の魅力