~天賦の国 四川省 続編~
連載第91回
2012年4月18日 四川省黒包山にて茶摘みの試合
ゆるり、のんびり四川お茶の旅。
今回は四川省峨眉山の緑茶をご紹介します。この地には、四川省蒙頂山の《蒙頂甘露》に並ぶ四川省の銘茶《竹葉青》があります。
《蒙頂甘露》
歴史では《蒙頂甘露》に劣りますが、《竹葉青》はすべて単一の芽で作られた見た目も美しい高級緑茶です。
四川は「養生の地」。お茶好きな方はもちろんそうでない方にも、豊かな水と自然に恵まれた四川での小休止がお勧めです。
今回は四川省峨眉山の緑茶をご紹介します。この地には、四川省蒙頂山の《蒙頂甘露》に並ぶ四川省の銘茶《竹葉青》があります。
《蒙頂甘露》
歴史では《蒙頂甘露》に劣りますが、《竹葉青》はすべて単一の芽で作られた見た目も美しい高級緑茶です。
四川は「養生の地」。お茶好きな方はもちろんそうでない方にも、豊かな水と自然に恵まれた四川での小休止がお勧めです。
1966年世界ユネスコ遺産に登録された四川省峨眉山(がびざん)。
峨眉山を訪れると最初に出迎えてくれるのが巨大な「楽山大仏」。
唐時代に90年という長い歳月を費やし作った大仏は高さ71mもあり、その巨大さに圧倒されます。大仏が作られたこの地は、3本の河の合流点に位置し昔からたびたび船が転覆したそうです、それで魔よけの意味で弥勒菩薩(みろくぼさつ)をつくったそうです。なんとも心地よい「気」が流れる場所でした。
四川省峨眉山の銘茶と言えば「竹青葉」zhu ye qing
丁寧に小さな芽だけを摘み製茶した高級緑茶です。お湯をそそいでしばらくすると可愛い茶葉たちが1本づつ立ってきます。その名のとおり青々と茂った笹の葉のような清々しい味わいと香りです。
196年国務院 副総理 陳毅氏が峨眉山に立ち寄った際にこの茶が出され、まだ名前がなかったことからその場で命名したそうです。
竹葉青の産地は拡大広していますが、なかでも海抜800~1200mの万年寺、清音阁(清音閣)、白龙洞(白龍洞)黑水寺(黒水寺)一带が良質の竹葉青の産地といわれています。
そして、峨眉山の一番高い所は海抜3011mの万仏頂です。深い霧と雪に覆われ、こちらへ登るためには春でも(恐らく夏でも)ロングのダウンジャケットが必要です。
厳しい気候ですが、下を見わたすと雲海が広がり仙人のような気分になりました。
このたび関係者のご好意により、一般には非公開である茶園と名門「四川省峨眉山竹葉青茶業有限公司」の工場見学をさせて頂きました。こちらの茶園は「全国緑色食品原料標準化生産基地」に指定され峨眉市農業局、双福鎮人民政府、竹葉青公司により厳格な管理が行われています。
衛生的な工場内には日本製の製茶機械がずらりとならびどんどん製茶されていきます。パッキングの工程のみ若い女性工員たちが黙々と機械を操作して働いていましたが、それ以外はすべてオートメーション化された大規模工場です。
標高1200m級の黒包山でも高級緑茶「仙芝竹尖」が作られています。この茶葉は「竹葉茶」とほぼ同じ形状です。この茶は地元四川省内で消費されてしまうため上海には出回っていません。この茶を作るのは竹葉青公司と肩を並べる名門製茶企業 「仙芝竹尖公司)です。
2012年4月18日 仙芝竹尖公司主催の茶摘み大会が行われました。地元のメディアの取材、お茶どころの浙江省からも来賓が来ていました。
この試合では、村の代表が20分間でどれだけ多くの量の茶葉の新芽が摘めるかを競います。
今年の優勝は光明村でした!試合終了後は村の主催で9大椀と言われるご馳走がふるまわれました。九大椀というのは沢山のご馳走という意味で実際には十数種類もの料理が並びました。茶畑が広がる山で頂く田舎料理は格別に美味しかったです。
峨眉山を訪れると最初に出迎えてくれるのが巨大な「楽山大仏」。
唐時代に90年という長い歳月を費やし作った大仏は高さ71mもあり、その巨大さに圧倒されます。大仏が作られたこの地は、3本の河の合流点に位置し昔からたびたび船が転覆したそうです、それで魔よけの意味で弥勒菩薩(みろくぼさつ)をつくったそうです。なんとも心地よい「気」が流れる場所でした。
超巨大な楽山大仏 |
3本の河の合流点 |
四川省峨眉山の銘茶と言えば「竹青葉」zhu ye qing
丁寧に小さな芽だけを摘み製茶した高級緑茶です。お湯をそそいでしばらくすると可愛い茶葉たちが1本づつ立ってきます。その名のとおり青々と茂った笹の葉のような清々しい味わいと香りです。
196年国務院 副総理 陳毅氏が峨眉山に立ち寄った際にこの茶が出され、まだ名前がなかったことからその場で命名したそうです。
竹葉青の産地は拡大広していますが、なかでも海抜800~1200mの万年寺、清音阁(清音閣)、白龙洞(白龍洞)黑水寺(黒水寺)一带が良質の竹葉青の産地といわれています。
グラスの中で美しく舞う「竹葉茶」 |
そして、峨眉山の一番高い所は海抜3011mの万仏頂です。深い霧と雪に覆われ、こちらへ登るためには春でも(恐らく夏でも)ロングのダウンジャケットが必要です。
厳しい気候ですが、下を見わたすと雲海が広がり仙人のような気分になりました。
このたび関係者のご好意により、一般には非公開である茶園と名門「四川省峨眉山竹葉青茶業有限公司」の工場見学をさせて頂きました。こちらの茶園は「全国緑色食品原料標準化生産基地」に指定され峨眉市農業局、双福鎮人民政府、竹葉青公司により厳格な管理が行われています。
厳格に管理されている有機栽培茶園 |
名門製茶会社 「四川省峨眉山竹葉青茶業有限公司」 |
(注意:中国の簡体字「叶」は日本の「葉」を意味します。) |
衛生的な工場内には日本製の製茶機械がずらりとならびどんどん製茶されていきます。パッキングの工程のみ若い女性工員たちが黙々と機械を操作して働いていましたが、それ以外はすべてオートメーション化された大規模工場です。
日本の製茶機がずらりと並ぶ 竹葉青公司工場内 |
衛生管理が徹底している 竹葉青公司工場内 |
標高1200m級の黒包山でも高級緑茶「仙芝竹尖」が作られています。この茶葉は「竹葉茶」とほぼ同じ形状です。この茶は地元四川省内で消費されてしまうため上海には出回っていません。この茶を作るのは竹葉青公司と肩を並べる名門製茶企業 「仙芝竹尖公司)です。
2012年4月18日 仙芝竹尖公司主催の茶摘み大会が行われました。地元のメディアの取材、お茶どころの浙江省からも来賓が来ていました。
この試合では、村の代表が20分間でどれだけ多くの量の茶葉の新芽が摘めるかを競います。
今年の優勝は光明村でした!試合終了後は村の主催で9大椀と言われるご馳走がふるまわれました。九大椀というのは沢山のご馳走という意味で実際には十数種類もの料理が並びました。茶畑が広がる山で頂く田舎料理は格別に美味しかったです。
仙芝竹尖公司主催 茶摘み試合 |
コテスト終了後 地方自治体から 「九大椀」のご馳走がふるまわれる |
今回の優勝は光明村 |
すごいっ!「仙芝竹尖公司」の 工場内ではパンダ館がある |
四川省では他に雅安にある「蔵茶」という名の黒茶の工場も訪ねました。こちらはまるで秘密工場のよう~、このお話は少し寒くなってからのお楽しみに。次号は夏にぴったりな白茶をご紹介させて頂く予定です。
私ごとですが、2012年4月より上海生活を再開致しました。
茶友の皆様方、今後ともよろしくお願いします!
2012年5月31日 Text・photo文文(wenwen)
お知らせ
この度、中国茶パワーを皆さまにお伝えしたく連載を書かせて頂きました。緑茶・白茶・ウーロン茶・プーアール茶・紅茶の各種茶の特徴や効用、おいしい淹れ方など紹介に加え、茶壺や茶会などについても解説しております。
時に心を解きほぐし、時にパワーを与えてくれる中国茶。成人病予防やダイエットの効果があるともいわれます。中国茶を既に楽しんでいる人にも、これから始める人にご覧いただければ幸いです。
目 次
- はじめに~中国人のパワーの源
- 第一章 お気軽チャイニーズ・ティー・パーティ
- 季節と体調にあった中国茶選び
- 第二章 春のお茶~やさしい緑茶~
- 杭州の銘茶 龍井茶
- 清明節
- 蘇州の銘茶 碧螺春
- 中国最初の献上茶 紫筍茶
- 目で楽しむ中国緑茶
- こんなに簡単 緑茶の淹れ方
- 緑茶の製造方法第
- 第三章 夏のお茶~白茶で免疫力をつける~
- 皇帝も愛した白毫銀針
- 福建省福鼎へ白茶の旅
- 白茶の力
- 第四章 秋のお茶~自然のアロマ 青茶(ウーロン茶)~
- 七煎入れてもまだ香りのある鉄観音
- プレミアム台湾ウーロン茶
- 二つの例外的台湾茶
- 台湾新感覚スタイル茶
- 華やかな香り 鳳凰単ソウ岩茶のストーンパワー
- ウーロン茶の淹れ方
- 第五章 冬のお茶~身体を温める紅茶~
- 紅茶のルーツは中国福建省
- 正山小種
- キーマン紅茶
- 雲南紅茶
- 第六章 成人病予防に黒茶
- 黒茶の保健効用
- 第七章 ダイエットにプーアール茶製造方法の違う二種類のプーアール茶
- 投機の対象になったプーアール茶
- プーアール茶の楽しみ方
- 第八章 ジャスミン茶でリラックス
- 第九章 魔法の茶壷~紫砂壷~
- 購入時の注意点
- 第十章 中国茶でいきいきライフ
- 第十一章 オリジナル調合茶できれいになる
- 第十二章 中国茶のバイブル
- 中国人にとって茶とは日本と中国茶
- 第十三章 自由にアレンジ中国茶会
- 中国茶会を開いてみよう。
- 中国茶会で季節を感じる
- 流派をこえた無我茶会
- 最終章 中国茶の魅力