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Root No.9
水上公園(1)
〜アニマル編〜
・ペンギン
・パンダ
・サル
春節が明けたばかりの去る1月26日、行ってきました天津水上公園。総面積213ha、東京ドーム45個分の広さを誇る天津市最大の総合公園ですからね、実に広かったです。ところでこの総面積なんですが、私は中国の某情報サイトに基づいて213haと書いているのですが、調べ直してみたところ、ある日本のサイトでは267haとありました。こちらの情報が正しければ東京ドーム56個分で、11個増えます。これだけ広いと、もう10個増えようが50個増えようがどうでもいい気がしてきました。ま、50個増えたらさすがに歩きませんけどね。

さて、タイトルを見てもお分かりの通り、この広い水上公園を1回で語り尽くすのは難しいということで、今回は特別に回をまたがり「アニマル編」「パラダイス編」の2部構成でお届けしたいと思います。「アニマル編」では水上公園内にある天津動物園の様子と春節を迎えたばかりのこの時期ならではの風景を紹介し、「パラダイス編」では水上公園の実態に迫る予定です。水上公園の実態がパラダイスなのかどうか? それは次回を見てのお楽しみ、ということで。

ペンギン

水上公園でなにゆえにペンギン?といぶかることなかれ。中国語で「企鵝(ちーあー)」ことペンギンは、天津では今大ブームなんです。というのは誇張ですが、少なくとも水上公園においてはこの時期一番の“稼ぎ頭”であることは間違いありません。

水上公園では昨年12月24日から今年2月5日にかけて「第1回天津氷雪祭り」が行われていました。この雪祭りの目玉はパウダースノーのゲレンデ。といっても、もともと降雪量の少ない天津には雪がないので、どこからか大量の雪をかき集めてきて作ったのでしょう、公園内数ヶ所に高さ4、5メートル、傾斜約30度の小さな小さな、でも大阪の天保山よりは高そうな雪山がポコッと出現。こんな雪山でも雪のない天津で暮らす人々には珍しいのか、私が訪れたこの日は大勢のお客でにぎわっていました。お客はスキー板を履くのではなく、浮き袋のようなゴム製のソリに座って滑ります。このソリが大盛況で、雪山のてっぺんは順番待ちの人で溢れ返っていました。


利用過多

さて前置きが長くなりましたが、その特設ゲレンデ数ヶ所のうち公園の東ゲートに一番近いゲレンデでは、当雪祭り第2の目玉「ペンギン展」が行われていました。雪を小高く盛った「ペンギン島」の上で、本物のペンギンたちが数十羽、2人の飼育員に見守られながら、特にこれといった芸当を披露するでもなく、ペタペタと歩いたり、腹ばいになって滑ったりしていました。ただそれだけ、それだけなのに、見入ってしまうんだなあ。ペンギン島の周りには可愛らしいペンギンを一目見ようとするお客たちで人垣ができるほど。お客たちはみんな笑顔でした。私に負けず劣らずの癒し系ですね。


イメージキャラクター?


観光客に大人気!


にらみ合う飼育員とペンギン

「・・・・・・」

パンダ

ペンギンのお次はパンダ。中国の動物と言えば「大熊猫(パンダ)」ですね。しかし、中国ならばどこでもパンダが見られると思ったら大間違い。周知の通り、パンダは今や絶滅の危機に瀕しており、中国では「国宝」に指定されている貴重な動物で、現在は四川省の大熊猫保護基地にて野生パンダの保護と人工繁殖が懸命に行われています。

国宝級動物パンダは、こちら水上公園内にある天津市動物園でも見ることができます。天津市動物園は1980年の設立で、総面積約54ha、飼育している動物の種類180余種、毎年200万人を超える観光客を集める天津を代表する観光地です。天津市動物園のパンダは、前出の大熊猫保護基地より天津市がお金を払って借りています。

昨年末から年明けにかけて、新聞では連日のようにこの天津市動物園のパンダが取り上げられていました。なぜなら今年1月に5年間の借用期間が満了となり、保護基地への返還が迫っていたのです。天津からパンダが消えるかもしれない、隠れパンダマニアの私はドキドキしながらその成り行きを見守っていましたが、ある日朗報が入ってきました。借用期間延長。さらに、もともと野生のため出生が不明だったこのパンダの誕生日を、借用の契約日である1月26日とすることに決まったのです。

そのパンダの名前は「ランニャ」。今年で“パンダ年齢”24歳を迎えるメスです。ヒトでいうなら70歳のおばあちゃん。人生七十古来稀。古稀です、古稀。ヒトの平均寿命は今や80歳とも90歳とも言われていますが、パンダの寿命から考えたらいつ冥土へ旅立つかわからないご高齢。隠れパンダマニアの私としましては是非、このランニャばあさんに直接会って古稀の誕生日をお祝いしたい。一言「誕生日おめでとうございます」と恭しく申し上げたい。

ところが問題発生。動物園に辿り着く前に道に迷ってしまいました。水上公園を散策するのはこれが3度目だったのですが、どこをどう歩いても動物園が見当たらないのです。って、人に聞けば済む話なんですけど、「今日はそぞろ歩きに来たんだ、道に迷って新たな発見があるかもしれない」などと悠長に構えてぷらぷら歩いていたものだから、運よく動物園に辿り着いたものの、時間が足りなくなってしまったのです。

動物園に入るにはゲートで入場料を払う必要があります。大人も小人も一律10元。私がゲートの前で財布から小銭を取り出していると、係員のおばちゃんのほうから声をかけてきました。「おねえさん、パンダを見たいんでしょ?だったら急がないと。熊猫館は4時半に閉まっちゃうよ」ふ〜ん、そう。で、おばちゃん、今何時?「4時20分」仰天。今日の最大の目的は「ランニャに会うこと」。それが果たせなかったら今日1日のすべての散策が無駄になってしまいます。しかもランニャの誕生日は今日。明日出直しても意味がないのです。おばちゃんからチケットを受け取ると、私はランニャのいる熊猫館を目指して走りました。連載始まって以来のそぞろ走り!


ランニャのいる熊猫館

それからどこをどう走ったのか覚えていないのですが、なんとか閉館前に熊猫館に到着。ここでも入場料が必要で、息せき切りながら1元払って館内へ駆け込みました。「ランニャはどこかにゃ〜?」ワクワクしながら檻を覗き込むとランニャは広い檻のすみっこに参観者に背を向けてじっと座っていました。暗いぞ、ランニャ〜!参観者の呼びかけにもちっとも応えてくれません。他の参観者はしびれをきらして去っていきましたが、私はランニャが振り向いてくれるのを辛抱強く待ち続けました。


この日かぎりの飾りつけ


どうした、ランニャ〜!

それから数分後。閉館時間ギリギリに行ったのが効を奏し、ランニャの餌付けに立ち会うことができました。飼育係のお兄さんがリンゴの入ったバケツを持ってくると、ランニャはムックリと起き上がってガラスの近くに座り直し、リンゴを食べ始めました。パンダってかわいい。所詮熊なんだけど。かなり獰猛な動物らしいんだけど。檻がなかったら絶対に近づかないんだけど。しばらくランニャの食事風景を眺め、彼女の長寿をお祈りしてから、熊猫館をあとにしました。


この日の夕刊によると朝ケーキを食べたらしい
もしかして胸ヤケ?

「・・・・・・」

サル

今季大ブレイクのペンギンと古稀の誕生日で衆目をかっさらっているパンダを、指をくわえて眺めている動物がいます。「果花山」のサル軍団です。今年の干支であるにもかかわらず、動物園のサル山は閑古鳥が鳴いていました。だいたい熊猫館の入場料が1元なのに、サル山の入場料が6元というのが、人集めに失敗している最大の理由ではないでしょうか。春節期間中くらい無料にして懐の大きさを見せたほうがよかったのではないかな。今度責任者に会ったら言っておきます。絶対に会いませんけど。とにもかくにも、今年は申年ですから、みなさんこちらもひとつよろしくお願いします。


サル山の門構えは非常に立派
(後ろに見えるのは天塔)


やさぐれている

「・・・・・・」

とんぱ大王只今日本出張中
税関で鳥と間違えられ監禁中というのは
根も葉もない噂でちゃんと働いているらしいです
こうみえて意外とビジネスマン

次回は水上公園(2)〜パラダイス編〜です。乞うご期待!
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Illust & Text by KEYOU... http://keyou.at.infoseek.co.jp/

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