文文の中国茶道体験記
『奉茶』(茶園小築)中国茶道講座30
『奉茶 潮汕スタイルのお手前』
中国茶のお手前には色々な名称がついおり、歴史書などに由来したものなど様々あります。中国茶を通してお茶だけではなく中国文化も学ぶことができ、そして器に書に絵に・・と興味の対象は益々広がっていきます。中国茶道ってまさに『中国の総合芸術』ですね。今回は前回につづき道具と、広東ウーロン茶を愉しむ工夫茶のお手前について紹介しましょう。
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■奉茶中国茶道に使う主な道具2
前回に続いて李先生セレクトの可愛い中国茶道の道具をご紹介しましょう。
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左@ 右上A 右下B @蓋碗/Gai
Wan フタのついた茶碗。そのままフタをずらして飲む事ができるし、茶壷(急須)の代わりにもなるすぐれもの。 A飲杯/Yin
Bei 茶を飲む為の器 B茶托/Cha Tuo 長方形のものは飲杯・聞香杯を一緒に載せるのに便利。
| 左奥から@A左手前からBC @茶壷/Cha
Hu 日本でいう急須。磁器では景徳鎮、紫砂壷では宜興のものが有名。 A茶海/Cha Hai
淹れた茶の濃度を均一に飲杯に分配するための道具。一般的には磁器のものが多いが、ガラス製のものは淹れた茶の色が正確に判定でき稽古の時に最適である。
B飲杯/Yin Bei(高さの低い方の器) C香聞杯/Weng Xiang
Bei(高さの高い方の器) 茶の香りを聞くための器。この杯に先にお茶を入れ飲杯に移して、聞香杯に残った香りを楽しむ。香りが逃げにくように細長い形をしている。
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■ウーロン茶を産地別に4つに分けることができます。
@ミン北ウーロン茶(武夷岩茶)
Aミン南ウーロン茶(観音王・鉄観音など)
B広東ウーロン茶
C台湾ウーロン茶
■今回は広東ウーロン茶を紹介しましょう。
広東ウーロン茶は中国南部の広東省のウーロン茶。代表的なものが4つある。その中でも濃厚な香りの濃香型と、清く澄んだ香りの清香型に分ける事ができる。
白葉単叢/Bai
Ye Dan Cong 鳳凰蜜蘭香/Feng
Huang Mi Lan Xiang | 濃香型 茶葉の色は紅黒っぽい 95℃くらいの湯で淹れる |
鳳凰桂花香/Feng
Huang Gui Hua Xiang 酔八仙 /Zui
Ba Xian | 清香型 茶葉の色は紅緑っぽい 90℃くらいの湯で淹れる |
■広東ウーロン茶の主な効用
脂肪分の多い食事をした時に油を取り去る・消化を助ける・酒の酔いを覚ます。ウーロン茶の中でもその作用は最もすぐれているといわれる。
効果順位をつけると・・
@広東ウーロン茶Aミン北ウーロン茶(武夷岩茶)Bミン南ウーロン茶(鉄観音など)C台湾ウーロン茶
■広東ウーロン工夫茶『潮汕スタイル』のお手前の特徴 お手前は研究班生徒さん
広東ウーロン茶の工夫茶のお手前では茶海を使わず蓋碗から直接飲杯に注ぎ分けるので熟練した技が必要だ。
◎関公巡城/Guan
Gong Xun Cheng 茶の濃度が均一になるように数回にわけ蓋碗から丁寧に同じようにそそぎわける
(
名称は中国の歴史書『三国志』に由来している。)
◎韓信点兵/Han Xin Dian
Bing 最後の数滴の茶は一番濃厚で美味しい部分であるから各飲杯に1滴ずつ入れる。
■初級クラス李先生の授業風景
中国茶道教室:奉茶(上海茶園小築)古北店
住所:上海市栄華西道19弄1号金龍公寓103号室 新電話・ファックス:(021)6270-2067
■広い庭で柿をもぎとる李先生の祖母
あのすばらしい環境で李先生のお茶に対する敏感な嗅覚・味覚が育ったのかな。おばあちゃん、ご馳走様でした。br文文
上海在住の日本人太太(奥さん)に品質の良い茶葉・センスの良い茶道具がそろうと定評のある李娜(リナ)さんが経営する雅な茶屋。併設の中国茶道教室は大変人気がある。店名の『奉茶』の由来の一つであるの李先生の実家は上海の浦東にある『奉賢区』。『WALKER CHAINA』12月号にて李先生実家、母方祖母・母・李先生の3代が紹介される。