TOP中国茶道体験記(33)

 文文の中国茶道体験記

     『奉茶』(上海茶園小築)

                  中国茶道講座33 <2004年4月号>

 

太湖をめぐる緑茶の産地 

春といえば緑茶の新茶の季節です。清明節前に無錫で茶摘みの様子をみかけました。茶摘みの作業は重労働ですが、わずか数十元の日給だそうです。真っ黒に日焼けし健康そうなおじさんとおばさん、笑顔が素敵でした。丹精こめて摘み作られたお茶を大切に味わいたいですね。

最近の中国での健康ブーム、お茶のさまざまな効果がとりあげあれています。中でも緑茶に含まれるカテキンの健康に対する色々な効果が注目されてるようです。今回は、緑茶の生産地の一つである太湖周辺をご紹介致しましょう。

■太湖周辺をめぐる

江蘇省と淅江省の間にまたがる、琵琶湖の3倍強もある大きな湖。太湖〔Tai Hu〕。湖中には東洞庭山、西洞庭山などの数々の島があり、太湖の東北岸に蘇州〔Su Zhou〕、北岸には無錫〔Wu Xi〕、西岸には紫砂壷という中国茶にはかかせない急須の製作で有名な宜興〔Yi Xing〕がある。

蘇州〔Su Zhou〕

宋代の頃から中国の穀倉地帯となり、二毛作が行われ【蘇・湖熟すれば天下たる】と言うことわざがおこった。果樹の栽培地としても古来有名であり、季節ごとに花が咲き、果物がとれる。花は春の桃・梅に始まり5月はびわ、6月はやまもも、7月は蓮の花、8圧は栗、9月は梨10月はみかんと豊富である。茶はこの果樹の下生えとなっており、ここで採れる【碧螺春】は、ほのかな果物の香りや花の香りがするお茶となる。(詳しくは文文茶道体験記18をご覧下さい。)

無錫〔Wu Xi〕
古くは錫を産したが掘り尽くしたので後漢のはじめ無錫という名がついたという。市の西郊には 錫恵公園があり、唐代の茶聖とも呼ばれる陸羽によって「天下第二の泉」と称された恵山泉がある。錫恵公園〔Xi Hui Gong Yuan〕 開園時間:5:00〜18:00 料金:8元〜

清明節前の無錫で茶摘みの様子 
無錫亳茶〔Wu Xi Hao Cha〕という、知名度は劣るが外観は蘇州の【碧螺春】によく似た良い緑茶が作られている。

清明節〔Qing Ming Jie〕(今年は4月4日でした。)
 1年を24等分して、約15日ごとに分けた24節季の一つに『清明節』がある。緑茶の産地で、この清明節前に摘み取られた茶葉で作られた茶は最も高級で味も香りも良いとされる。中国人は、この頃祖先の墓参りをし、墓の掃除をする。

宜興〔Yi Xing〕

上海から、蘇州・無錫を抜け雄大で広々とした太湖を眺めながら宜興へ。宜興はこの地でしかとれないという土、「紫砂」を作ってつくる急須「紫砂壷」が有名。
1,200℃の高温で約72時間焼くと硬く無数の空気孔ができ、通気性に優れた茶壷が誕生する。高温で焼かれるため叩くと金属のような音がする。保温性に優れ、茶の味をまろやかにする。使えば使うほど、壷の艶も増し、味わい深くなる。
紫砂壷には無数の空気孔がありここから茶の香りを吸い込んでいく。そのため次のことに注意しよう。
・ 一つの急須に対して1種類の茶葉を使う。鉄観音用・岩茶用・プーアル茶用、紅茶用と分けるとよい。なお鉄分が多く含まれるため緑茶には適さない。
・ 使い終わった後は湯ですすぎ乾かす。洗剤で洗わないこと。
実際に生産しているのは、宜興から南方数十キロにある「丁蜀鎮」〔Ding Shu Zhen〕。

奉茶オリジナルの紫砂壷

  中国茶道教室奉茶(上海茶園小築)古北店 

住所:上海市栄華西道19弄1号金龍公寓103号室
新電話・ファックス:
(021)6270-2067

上海在住の日本人太太(奥さん)に品質の良い茶葉・センスの良い茶道具がそろうと定評のある李娜(リナ)さんが経営する雅な茶屋。併設の中国茶道教室はサロンのような雰囲気で授業が受けられる。講座は初級・中級・高級・研究班とあり大変人気がある。李さんが中国茶の世界を具現化した茶室で喫茶もできる。



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