文文の中国茶道体験記42
第42回 上海とプーアール茶
●雲南プーアール茶 分類 黒茶 発酵度 後発酵 香港や広州など中国の華南地方で『飲茶』を食べるときに必ずといっていいほど出されるのがこのプーアール茶。普通語ではプーアール茶だが、広東省や香港の人達は広東語で『ポーレ茶』と呼んでいる。 もともとプーアール茶の原料は『晒青緑茶』であるが、流通が不便だった頃、馬に乗せてお茶を運んでいるうちに道中で風雨にさらされたり、南国のギラギラした太陽にあたり乾かされたり乾いては濡れる繰り返しで変質し到着した頃には赤く酸化して自然に後発酵となっていたのがプーアール茶。 ●効用 プーアール茶は。消化を助ける、脂っこいものを食べたときに油を流す・血圧を下げる・ダイエットの作用もあるといわれ、華南地方の脂っこい食べ物を常用する彼らの嗜好にあい現在でも好まれて飲まれている。 ●形状 茶葉がバラバラの「散茶」と運びやすく固めた「緊圧茶」などがある。また、プーアール茶は華南地方だけでなく、流通が不便だった時代に、野菜の摂取量が極めて少ない遊牧の少数民族の貴重な補給源であった。
●上海とプーアール茶 いつの時代もお金が集まる場所に良いお茶はやってくる。緑茶が主流だった上海人もウーロン茶、そして次はプーアール茶に関心が集まっている。流行大好きの上海人にとって、めずらしいもの新しいものは大変興味がある。また骨董価値があるとなると不動産バブルで得た余剰資金がアートや骨董に流れている様子。 ●製造方法 製造方法の違いから、『生茶』と『熟茶』に分類することができる。生茶は緑茶を蒸して固めた自然に発効させたもので、美味しく飲むまでに長い年月がかかる。熟茶は安く大量にプーアール茶を作るために考えられた方法で、握堆(あくたい)という方法で発酵させ、比較的早い時期から飲むことができる。製造後湿度の高い倉庫で保存し、発酵を加速させたものはかび臭い味がするので要注意。
●プーアール茶は『骨董茶』 プーアール茶は『骨董茶』ともいわれる。ワインと同じで上質のものは年代が経てば経つほど味がまろやかになり美味しいといわれている。またビンテージものとしての価値も出てくる。時間が経つとタンニンンが減少して胃に優しくなるといわれている。 ●よいプーアール茶 骨董の価値のあるものは高く売れるため、為年代を偽った偽ものが氾濫している。プーアール茶の湯は黒と思われがちだが、質の良いお茶の淹れた色はブランデイーのような少し赤みがかた色。淹れたお茶の色が黒いものは着色料の場合かあるので注意しよう。カビ臭いプーアール茶は質の悪いもの。良いプーアール茶は芳醇で甘みがある。 ●淹れ方の注意 2次加工時に長い時間をかけたプーアール茶は殺菌消毒の為、『洗茶』といって1煎目のお茶は湯通しして捨てる事。 ●文文のお勧め 家庭で養茶・記念日に品茶 家庭では、直射日光が当たらず、風通しがよく、乾燥している場所に置く。本棚の上など高い位置に置くと良い。プーアール茶の最後のエッセンスは年月です。又、お誕生日やご家族の記念日、または清明節など毎年日を決めて、緊圧茶を専用のナイフではがし、ひとかけらずつ品茶するのもお勧めです。
2005年6月在上海記:文文 |
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