文文の中国茶道体験記49 第49回 やさしい中国緑茶 2 浙江省産『紫筍茶』・安徽省産『太平猴魁』
●安徽省の緑茶● 安徽省は中国が誇る銘茶の産地。世界遺産である中国を代表する名山黄山で摘まれた緑茶 「黄山毛峰」のほか、「太平猴魁」『六安瓜片』、中国三大紅茶かつ、世界三大紅茶 でもある香り高い「祁門紅茶」など銘茶が数多くある。
●浙江省の緑茶● 中国最初の献上茶『紫筍茶』 古く700年代唐の時代から献上茶の制度が始まったと言われています。唐代に有名だった三大茶があり、蒙頂茶(四川省)、陽羨茶(江蘇省)そして紫笋茶(浙江省湖洲長興県)でこの中の『紫筍茶』が中国で最初(あるいは2番目という説も)の献上茶であったと言われている。唐・宋・元・明時代まで600年間献上茶に指定され、最も長い期間献上茶であった事でも有名。しかし、献上茶であった頃の紫筍茶と現代の紫筍茶では形状に違いがある。 ●『紫筍茶』 浙江省湖洲長興顧渚山一帯で生産されている。「顧渚山」で生産するものは「顧渚紫笋(こしょしじゅん)」とも呼ばれている。 茶聖『陸羽』がこの地で茶を研究し、良い茶ができたので皇帝に勧めたといわれるのがこの紫筍茶。陸羽の著書『茶経』の中で芽は『紫者上、筍者上』と記していることより、この茶を『紫筍茶』と名づけたという説と、生の茶葉の芽が紫色がかっている、芽の部分が筍(たけのこ)のように少し湾曲した形であることからこの名前がついたと言う説がある。 当時、献上茶を生産するにあたり、皇帝に献上するために作る茶園『貢茶院』を設立。清明節までに長安の都に届けられたという。 ●現在の紫筍茶 一芽一葉あるいは、一芽二葉初展の状態で摘む。1斤(500g)の干茶を作るために7.2万もの葉を摘む。 紫筍茶は一般の紫筍茶のほか、有機栽培で作った有機紫筍茶、産量は大変少ないが野生紫筍茶もある。 ●陸羽はこの地で『茶経』を執筆した 唐代 茶聖『陸羽』の著書【茶経】 756年ごろ故郷を離れ、湖洲に定住。この地で14年間茶を研究。茶経を記す。その10年後に『茶経』を出版したと言われている。茶経は上中下三巻に別れ、内容は10章に分かれ、一之源、二之具、三之造、四之器、五之煮、六之飲、七之事、八之出、九之略、十之図から構成されている。
●2006年4月14日『呉覚農』生誕109年周年記念記念行事 中国現代のお茶聖人とも呼ばれる『呉覚農』生誕109年周年記念行事が行われた。呉氏は中国茶の普及に努め、人民から深く尊敬される茶人で、著書には『茶経述評』・『支那茶業の機構』・『中国茶業復興計画』 などがある、静岡に留学経験もある。 百佛園広場(曹安路1978号)にて
●2006年4月8日宋園茶館にて『国際茶文化節行事』講演会の他、中国茶からは龍井茶の美しいお手前の他、中国人による日本茶道、韓国茶道、英国式紅茶のお手前が披露された。
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